人生は日々、選択の連続である。
過去の行動を振り返り、「あの学校、あの会社に行っておけばよかった」「なぜあの人と結婚しなかったのだろう」「なぜあんなことをしてしまったのだろう」など、誰もが自分の過去の選択を後悔したことがあるだろう。
私自身も、何日も何週間も過去の選択を後悔し、食事や睡眠もまともに取ることができないほど憔悴してしまったことがある。
しかし、実はその選択は、その境遇に置かれた状態で行った最適な選択であり、それ以外の選択はあり得なかったはずだ。
なぜなら「もっと時間や知識があれば」「もっとよく調べていれば」「もっと話し合っていれば」「もっと気をつけていれば」といった「もしも」は、実際に決断をした後に時間が経ってから湧き出てきた思考なので、その思考が過去の自分に湧き出てくることはあり得ないからだ。
仮に、時間や思考など全てを巻き戻すことができるタイムマシンがあって、100回同じ過去に戻ったとしても、100回とも同じ選択を繰り返すことになるだろう。
たとえ今が辛くても、その選択以外あり得なかったのだから、今できることは過去の自分の選択を受け入れてあげることである。
自分自身の経験、知識、思考、直感を総動員して決断したのだから、過去の自分と今を生きる自分を責めるのはもうやめよう。
今の状況は必然であり、そこから這い上がることが人生であり、それでも生きていくのが運命である。
また、事象にもよるが、次のような考え方ができるケースもある。
仮にAとBという2つの選択肢があったとして、Aを選んだ今が辛いとなると「なぜBを選ばなかったのか」となる。
ここで注意したいのは、往々にしてBを選んだ未来を美化しすぎるところにある。
実際にAを選ぶまでには、Bを選ぶ際に発生するリスクを十分に考慮しているはずである。
にもかかわらず「Bを選んだ方がより良い未来になっていたのではないか」と人は考えてしまうものである。
この場合「Aを選んで辛い現実」と「Bを選んだ理想的未来」を対比させているので、当然Bを選ばなかったことを後悔してしまう。
したがって、Aを選んだ今という現実を心から受け止めるためには、Bを選んだ際に発生したであろう悲観的な未来を想像するしかない。
そして、いつの日かAを選んで良かったと言えるように、今この瞬間から前向きに歩き始める以外に道はない。
最終更新: 2022年11月17日