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人生で一番苦しくて生きているのが辛い時に読むべき本

地球で生きていくのは本当に大変な事である。

そして苦痛を伴う。

その苦痛は4つに分類できるだろう。

①耐えられる肉体的苦痛
②耐えられない肉体的苦痛
③耐えられる精神的苦痛
④耐えられない精神的苦痛

①と②は薬局やお医者さんの専門である。

③については周囲の人に相談したり本を読んだりしてある程度対処できるだろう。

ここではそれ以外の④耐えられない精神的苦痛の対処法を考えていきたい。

こういう記事で結論を先延ばしにするのは野暮なので結論から述べる。

「夜と霧」という本を読もう。

(下に続く)




著者はヴィクトール・エミール・フランクル。

フランクルはユダヤ人であり第二次世界大戦中にアウシュヴィッツ強制収容所に送られた男である。

この本は彼の自伝であり、実話である。

彼が強制収容所で、①いつ死が訪れるか分からない中で、②重労働を課せられ、③食糧も乏しく、④人間関係も最悪という極限状態をどう生き延びたかを描いた本である。

世界的なベストセラーであり、日本においては高校の社会科(倫理)で紹介されている。

フランクルはかつてウィーン大学で精神医学を学んだが、当時の彼の教授陣にはフロイトやアドラーなど現代日本でも有名な名前が連なる。

そうした精神分析を行う心理学者として、強制収容所のような絶望的で過酷な環境を生き延びた人間の心理を分析した一冊である。

そこまで長い本でもなく、非常に分かりやすい文章で書かれているので、比較的容易に読むことができる。

さて、私もKindle版を持っているので、この本のハイライトとなる箇所を1つ引用させていただき、この記事の終わりにしようと思う。

これは強制収容所を生き延びたフランクルが「生きる意味」について語った部分である。



「わたしたちが生きることからなにを期待するかではなく、むしろひたすら、生きることがわたしたちからなにを期待しているかが問題なのだ、ということを学び、絶望している人間に伝えねばならない。

(中略)

もういいかげん、生きることの意味を問うことをやめ、わたしたち自身が問いの前に立っていることを思い知るべきなのだ。

(中略)

生きるとはつまり、生きることの問いに正しく答える義務、生きることが各人に課す課題を果たす義務、時々刻々の要請を充たす義務を引き受けることにほかならない。」


ヴィクトール・E・フランクル「夜と霧 新版」(みすず書房 池田香代子訳)より引用


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