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プラトンの『イデア論』をラーメン二郎に例えて説明する

プラトンは紀元前427年にギリシャのアテネで生まれた。

プラトンはアテネの郊外にアカデメイア(Akademeia)という学園を設立するが、これが英語の「アカデミー(Academy)」(教育・研究機関)の語源である。

プラトンは師匠であったソクラテスに関する著述を残しており、我々はプラトンのおかげでソクラテスの事を知ることができる。

プラトン自身の有名な考え方の1つとして『イデア論』があるが、今回はそれについて簡単にまとめようと思う。

プラトンは我々の世界が2つあると考えた。

1つは『現象界』、もう1つは『イデア界』である。

現象界とは我々が目や耳などの感覚器官で捉えている、絶えず変化が起こっている不完全な世界である。

簡単に言えば、我々が今住んでいる世界のことだ。

それに対しイデア界とは、理性によって捉えることができる、変化のない完全な世界である。

簡単に言えば、心の目で見ることができる世界といったところか。

しかしこれだけだと全く意味が分からないので、私の好きなラーメン二郎に例えて説明する。

(下に続く)




ラーメン二郎は都内を中心に数十店舗あるが、店舗によって異なる味と盛り付けのラーメンを出している。

なぜ我々はそれらのラーメンの写真を見ただけで二郎と判断できるのだろうか。



それは、二郎の特徴をジロリアン(ラーメン二郎愛好家)が共有しているからである。

二郎の特徴として、①太麺、②大量の野菜、③大きなチャーシュー、④にんにく、⑤醤油が強めのスープなどが挙げられる。

これらの特徴によって「これはラーメン二郎だ」と判断できるのである。

このように全員で共有できるような普遍的なイメージが『イデア』であり、イデアが実在する世界を『イデア界』とした。

現象界に様々なラーメン二郎が存在するのに対し、イデア界には「ラーメン二郎とはこれだ!」というイデア(定義のようなもの)が存在している。

我々は理性の力によって、現象界のラーメン二郎1杯を通してイデア界に存在するラーメン二郎のイデアを見ているのである。

そして逆に言えば、現象界のラーメン二郎1杯は、イデア界に存在するラーメン二郎のイデアのコピー(模像)なのだ。

したがって、イデア界に存在するイデアこそが真の実在である。

というのがプラトンの現象界とイデア界という考え方であり、このように世界を2つに分ける考え方を『二元論的世界観』という。

ちなみにイデアは、英語の「アイデア(idea)」の語源である。

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