私の趣味は春と夏に甲子園で行われる高校野球を観ることである。
もちろんアメリカのメジャーリーグや日本のプロ野球も好きだが、高校野球が一番好きである。
その理由を探ることによって、高校野球ファンが甲子園に魅了される理由を解明していきたい。
①「オーケストラのような迫力ある応援」
甲子園に出場が決まると、生徒や保護者、吹奏楽部やチアリーディング部はもちろん、その地域の人たちも巻き込んでの盛大な応援となる。
学校によって演奏する曲が違うため、音楽を聴いているだけでも甲子園に来る価値がある。
メジャーリーグは基本的に応援歌は無し、プロ野球はトランペットと太鼓のみのため、様々な楽器が登場する高校野球の応援は深みがあって面白い。
少しでも甲子園での応援の雰囲気が掴めるよう、私が2024年春の甲子園で報徳学園高校(兵庫県代表)の応援団の近くで撮った動画を紹介したい。
②「歴史と伝統が作り出す甲子園の雰囲気」
黒い土と緑の芝生が綺麗な甲子園球場に入場し、日本の野球場の中でトップの収容人数を誇る広大な観客席の1つに座り、甲子園でおなじみの場内アナウンスの声が響き渡るのを聞いた時、人は甲子園100年の歴史と伝統に包まれ、魅了される。
③「負ければ終わり、緊迫のトーナメント戦」
プロ野球の試合と違って、高校野球は負ければ終わりである。
特に夏の甲子園の場合、試合に負ければ高校野球生活に別れを告げることになる。
プロ野球のように「今日負けても明日があるや」とはいかないので、1試合1試合が非常に重要なゲームとなる。
しかし、たとえ試合に負けたとしても最後まで諦めない姿勢を見せた選手やチームは称賛され、後世に語り継がれる伝説の試合になることもある。
「負けて有名になる」という言葉もあるくらいだ。
④「全試合全国放送される大人気の長寿番組」
メジャーリーグやプロ野球の試合を観るためには有料チャンネルへの登録が必要だが、甲子園の高校野球は全試合NHKの地上波で生中継されるため誰でも気軽に野球観戦できる。
国民全員が同じ映像にアクセスできるため、1試合1試合の注目度や重みが増し、試合を観れば日本全国と繋がってお祭りに参加しているような気分にさせてくれる。
⑤「甲子園は何かを思い出す場所」
大都市にのみ存在するプロ野球球団と違い、甲子園大会へはどの都道府県の高校も出場することができる。
甲子園大会では自分の人生にゆかりのある都道府県の代表を応援することで、一緒に試合に参加している気持ちになれる。
その時、故郷や今住んでいる場所のことを考える時間を、甲子園は与えてくれるのである。
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