新しく始めたことが続かない心理の秘密!人はなぜ飽きる?
私たちはよく新しいことを始めるのが好きです。しかし、その新しい挑戦が続かないことに悩むことが多いのも事実です。例えば、ジムに通い始めるけれども、数回通った後、いつの間にか行かなくなってしまったり、ダイエットを決意するけれども、途中で挫折してしまったりすることがあります。なぜ、私たちは始めるのが得意で、続けるのが苦手なのでしょうか?
新しいことを始める瞬間は、どこかワクワクします。例えば、新しい趣味を見つけたり、運動を始めたりするとき、その初期の段階は興奮と希望に満ちています。これには心理学的な理由があります。
新しいことを始めることで、脳内ではドーパミンという「快楽ホルモン」が分泌されます。ドーパミンは、私たちに「もっとやりたい!」という気持ちを引き起こし、始めること自体が楽しくなるのです。これは、目標に向かって進んでいるという感覚を与えてくれます。
しかし、何かを始めた後、それを続けることは次第に難しくなります。最初の頃は楽しかったことでも、慣れてくると次第に飽きてしまうことが多いです。ここで大きな心理的な障害となるのが「報酬の減少」です。
最初のうちは新しいことに対する興奮があり、目標に向かって進むことで達成感を感じやすいですが、その感覚が次第に薄れていきます。これによって、継続するモチベーションが減少してしまうのです。報酬が少ないと感じることが、続けることを難しくします。
新しいことを続けるためには、それを習慣として定着させる必要があります。しかし、習慣化には時間がかかります。最初のうちは、行動するたびに意識的な努力が必要ですが、それが習慣として定着するには、少なくとも21日間程度の継続が必要だと言われています。
習慣化する過程では、私たちの脳も慣れ、意識的な努力を要することが少なくなります。しかし、このプロセスはしばしば退屈に感じることがあります。新しいことを始めたときの興奮が薄れるため、私たちは「続けること」自体が面倒だと感じ始めるのです。
始めるときには、「やりたい」「目標を達成したい」という気持ちがありますが、時間が経つにつれてそのモチベーションが低下することがあります。目標が漠然としていたり、進捗が見えにくかったりすると、やる気が失われてしまうのです。
目標が具体的でないと、達成感を得るのが難しく、モチベーションを維持することができません。例えば、ダイエットを始めたとき、「痩せること」が目標であるとしますが、その過程で「あと何キロ減ればいいのか?」が明確でなければ、進捗が感じにくく、やる気が続きません。
また、周囲の環境や社会的な影響も続けることに大きな影響を与えます。社会的な期待や周囲の反応が励みになったり、逆にプレッシャーとなってしまったりすることがあります。
例えば、ジムに通う場合、周囲の人々が自分と同じように頑張っていると、モチベーションが上がりやすいですが、逆に人が少なくなると、「今日は行かなくてもいいかな」と思ってしまい、続けるのが難しくなることもあります。
続けていることの結果がすぐには見えないことも、続けられない理由の一つです。結果が見えにくいと、「本当にこれで良いのだろうか?」と不安になることがあります。この不安が、行動を中断させる大きな原因となります。
特に長期間にわたる努力が必要な場合、その間に「結果が出ない」と感じることが続くと、モチベーションが失われてしまいます。例えば、ダイエットや資格試験など、結果が目に見えるまで時間がかかるものでは、途中で諦めたくなる瞬間が訪れます。
人は失敗を恐れる生き物です。始めたばかりの頃は、まだ失敗のリスクが低いと感じていますが、続けていくうちに失敗が目の前に迫ってくると、恐怖心が芽生えます。この恐れが、途中で諦める原因となることがよくあります。
例えば、ダイエットをしているとき、「また体重が減らなかったらどうしよう」と思うと、失敗することを恐れてやめてしまうことがあります。心理的な負担が大きいと感じると、人はその状況から逃げたくなるものです。
では、どうすれば「始めるのが好き」で「続けるのが苦手」という状態を改善できるのでしょうか?
1. 小さな目標を設定する
大きな目標を達成するためには、小さなステップに分けて目標を設定することが大切です。例えば、ダイエットなら「週に1回は運動をする」「1ヶ月で1キロ減らす」といった小さな目標を立て、それを達成することで達成感を得ることができます。
2. 進捗を記録する
自分の進捗を記録し、どれだけ達成できたかを可視化することも有効です。ジムに通った日や食事内容を記録することで、自分の努力を確認することができます。
3. 仲間と一緒にやる
友達や家族と一緒に目標を共有することで、社会的なサポートを得ることができます。仲間と励まし合いながら続けることで、モチベーションが維持しやすくなります。
4. 失敗を恐れず前向きに考える
失敗してもそれを学びとして受け入れることが重要です。失敗から何を学ぶかが、次に進むための鍵となります。
始めることは楽しいですが、続けることには心理的な障害が多くあります。しかし、小さな目標設定や進捗の記録、仲間との協力など、続けるための工夫をすれば、モチベーションを維持しやすくなります。始めたことを続けるためには、少しの努力と工夫が必要です。
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